私が初めてトラに会ったのは、１９９４年、少し涼しくなり始めた、秋の初めでした。駐車場で寄り添うようにひなたぼっこをしている子猫が２匹、きっと兄妹だったのでしょう。一匹は茶トラの男の子、もう一匹は縞の入った白黒猫、女の子でした。最初に私に声をかけたのは茶トラの方、猫好きに見えたのかな？それともお腹が好いてたから誰でも良かった？

駐車場の車の影から小さく「にゃ〜」と声をかけ、私がその存在に気がつくと、すぐに身を隠してしまった。それでもちくわを投げてあげると、夢中で食べてたね。ゴミ置き場の中からお魚の匂いのついたサランラップを見つけだし、ペロペロなめたりしてたっけ。あの頃はちくわがごちそうだった。今じゃちくわなんて見向きもしない。たまにあげてもコロコロ転がして遊んでる。贅沢になったもんだ（笑）

それから毎日ちくわや、キャットフードをあげ、すこ〜しずつ仲良くなった。その頃はペット禁止のアパートだったから、大家さんにバレやしないかとドキドキだったよ。初めてトラをだっこした時は、見た目よりあまりに軽いんでびっくりしたっけ。うちの子になってからは、みるみる体も大きくなって、今ではみんなに「大きいねぇ〜！」って言われる７キロニャンコだぞっ！<(｀^´)>エッヘン

でも・・・もう一匹の白黒猫ちゃんとは、最後まで仲良くなれなかったなぁ。いつも一緒にごはんをもらいに来たけど、いつも一定の距離を保っていて、触る事もさせてくれなかった。そしていつの間にかいなくなってしまったね。私はあの子から仲良しだった兄妹を奪ってしまったようで、少し心が痛かったよ。きっとあの子は野良として生きる事を選んだんだね。そしてトラは、うちの子になる事を選んでくれた。

私のパソコン机には、椅子が２つ並んであります。１つはもちろん自分の椅子、もう１つはトラの椅子。この日記を書いている今も、トラは私の隣でスヤスヤ寝ています。この時間がず〜っと続くといいね。

　　　　　　　　　　　　　　２００２年６月１７日の日記より